(1) コロナウイルスの種類と特徴



(1)-1-①:コロナウイルス変異株の分類と呼称

WHOは懸念される変異株と注目すべき変異株について、最初に検出された国や地域が呼称の一部として用いられることによる偏見の懸念から、2021年5月31日にギリシャ文字を使用した新たな呼称を提唱した。

<変異株の分類と呼称>                                    2021年7月17日時点
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※1:懸念される変異株(VOCs; Variant of Concern) ※2:注目すべき変異株(VOIs; Variant of Concern)


(1)-1-②:変異株と変異種の違い

変異株は「ウイルスの性質が一部変化したもの。」
変異種は「新しい生物種が誕生したもの」となります。
日本感染症学会によると、今回日本で確認されたコロナウイルスは感染力が強くなった性質変化はあるものの「元来持っていた新型コロナウイルスの基本的特性はほとんど引き継がれており、依然として新型コロナウイルスのままなので、変異株と呼ぶべき」と説明しています。
そのため、もし今回のコロナウイルスの報道で変異種と言われていたら誤用なので気を付けましょう。

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(1)-1-③:オミクロン株とは

【オミクロン株の症状の特徴】
オミクロン株による症状の程度などについて、WHO=世界保健機関は、「まだ詳しくはわかっていない」としていますが、「感染力が強い(国によってはデルタ株から置き換わりつつある)」という事だけがわかっています。
新型コロナの症状は人によってさまざまですが、発熱・せき・筋肉痛・頭痛・
疲労感などが主要な症状です。これに加えて従来のコロナウイルスは「嗅覚・味覚の鈍化」、デルタ株は「鼻水」が特に顕著な症状として挙げられてきました。反面、オミクロン株は既存のコロナ症状として知られているせき・発熱・疲労感以外にはこれまで特異な症状はこれといって無いようです。

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出典:南アフリカ感染症流行対応・イノベーションセンター

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【オミクロン株の症状】
オミクロン株による症状の程度などについて、WHO=世界保健機関は、「まだ詳しくはわかっていない」としていますが、「感染力が強い(国によってはデルタ株から置き換わりつつある)」という事だけがわかっています。
新型コロナの症状は人によってさまざまですが、発熱・せき・筋肉痛・頭痛・疲労感などが主要な症状です。これに加えて従来のコロナウイルスは「嗅覚・味覚の鈍化」、デルタ株は「鼻水」が特に顕著な症状として挙げられてきました。反面、オミクロン株は既存のコロナ症状として知られているせき・発熱・疲労感以外にはこれまで特異な症状はこれといって無いようです。

【オミクロン感染予防】
個人の基本的な感染予防策としては、変異株であっても、従来と同様に、3密の回避、特に会話時の正しいマスクの着用、手洗いなどの徹底が推奨されます。
また、ワクチンについては、3回目の追加接種によってウイルスの働きを抑える中和抗体の効果がオミクロン株に対しても大幅に上昇するとの研究結果も発表されています。

【オミクロン株の潜伏期】
新型コロナでは感染してから発症するまでの期間(潜伏期)は約5日とされていました。


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(1)-1-④:オミクロン株ではワクチン接種者も感染する?

オミクロン株に感染した人の特徴として、デルタ株などの従来の新型コロナウイルスと比較して、ワクチン接種者や過去に新型コロナに罹ったことがある人が占める割合が高いことが上げられます。
その一例として、
・2021年12月27日までに日本国内で診断されたオミクロン株の感染者109人のうち86人(79%)がワクチン接種済でした。
・デンマークでは、デルタ株の感染者のうちワクチン接種済の人は48.4%、過去に新型コロナに罹ったことのある人は0.8%であったのに対し、オミクロン株の感染者のうちワクチン接種済の人は76.3%、過去に新型コロナに罹ったことのある人は4.3%でした。
・ノルウェーの集団感染事例では、96%がワクチン接種済であった
などの事例が報告されています。
れは、過去にワクチン接種や新型コロナウイルスへの感染によって得られた免疫は、オミクロン株への感染を防ぐ効果が低いことを意味します。
2回のワクチン接種を完了している人、過去に新型コロナに罹ったことのある人もオミクロン株に感染することがあります。
ただし、ワクチン接種や過去の感染によって得られた免疫が全く役に立たないということではなく、オミクロン株で多くの人が軽症で済んでいるのはワクチン接種や過去の感染によって得られた免疫の効果が理由の一つとして挙げられます。




(1)-1-⑤:オミクロン株による重症化リスクは?

オミクロン株は、従来の新型コロナウイルスよりも重症化しにくいという報告が増えています。また、ワクチン接種の有無によっても重症度が異なるとされており、オミクロン株による感染者の入院リスクは、ワクチン未接種者に比べ,ワクチン2回接種者で65%、ワクチン3回接種者では81%低くなった、と報告されています。
なおワクチン未接種では、デルタ株と比較して入院リスクは0.76倍と報告されており、ワクチン接種者と比較するとデルタ株との重症度の差が小さくなっています。
オミクロン株では従来の新型コロナウイルスと比較して、
・潜伏期が短い
・鼻水やのどの痛みなどの「かぜ症状」が多い
・ワクチン接種をしている人も感染しやすい
・重症化リスクは低い
といった特徴があります。
かぜ症状であっても新型コロナの可能性がありますので、軽い症状であっても病院を受診し検査を受けるようにしましょう(症状のある方は市販の抗原検査キットも参考になります)。
重症化リスクが低い、と言っても全く重症化しないわけではなく、亡くなる方も報告されています。ワクチンを接種していない人、持病のある人や高齢者にとってはまだまだ危険な感染症です。
また、感染者が爆発的に増えてしまえば、重症化リスクは低くなったとしても重症者は増えてしまうことになります。

(1)-1-⑥:「デルタ株」「オミクロン株」「かぜ」「インフルエンザ」の違い

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新型コロナウイルスについては、インフルエンザ以上に肺で悪さをするのは大変厄介であるということですが、これが「オミクロン株」になると症例はまだ多くはないものの、この感染性はデルタ株をさらに上回るであろうということは間違いありませんが一方で、肺で悪さをするというよりも、上気道が中心になります。さらに、かぜ、インフルエンザと見分けがつきにくく、重症化が少ないのも特徴です。

出典:2022.01.10TBSニュースより



(1)-2:ウイルスの特徴

ウイルスは、
① 蛋白質の外殻、内部に遺伝子(DNA、RNA)を持っただけの単純な構造の微生物です。
② 細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。
③ たとえ栄養と水があったとしても、ウイルス単独では生存できません。
④ 自分自身で増殖する能力が無く、生きた細胞の中でしか増殖できませんので、他の生物を利用して自己を複製することでのみ増殖します。その過程で「変異」を繰り返し、より環境に適応しやすいよう姿を変えていきます。

(1)-3-①:新型コロナウイルスが感染力を保ち続ける「寿命」は?

様々な環境下での新型コロナウイルスが感染力を保ち続ける「寿命」は、最も長かったのはプラスチックの上で、最大で3日間、感染力を持っていた。銅の上では4時間、ボール紙の上では24時間で、感染力を持ったウイルスは見つからなくなった。どの環境でも、ウイルスは時間がたつほど減っていた。プラスチック上で、ウイルスの量が半分になる時間は、6・8時間程度だという。


患者のせきやくしゃみなどによって飛び、密閉された空間で、空気中をしばらく漂う細かい微粒子「エアロゾル(エーロゾル)」中では、3時間感染力を保つことも確かめられた。

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(1)-3-②:「エラーカタストロフ」仮説

日本では2021年9月以降急速に感染者が減少してきました。
その理由の一つとして唱えられ始めたのが「エラーカタストロフ」仮説。
新型コロナウイルスは一本鎖のRNAウイルスで成り立っています。
そのRNAウイルスは複製が早いと、複製エラーが多数発生し、ウイルスが生存できなくなり、自壊が開始されるという仮説のことです。
「オミクロン株は、もしかするとエラー・カタストロフ一歩手前の段階なのではないでしょうか。今後の流行とさらなる研究を注視していかねばなりませんが、過去の4種の旧型コロナと同様、新型コロナウイルスも「ただの風邪ウイルス」になっていく、オミクロン株はその分岐点と考えている」とする専門家もいます。

参考:2021年12月10日コロナ分科会会見

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  • 最終更新:2022-01-12 02:47:51

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