(2) 飛沫感染、空気感染(エアロゾル感染)、接触感染


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(2)-1:飛沫感染

感染者くしゃみ、咳、つばといった飛沫と一緒にウイルスが放出され、他の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感受性のある人の口腔粘膜、鼻粘膜、結膜等の粘膜に付着することによって感染することを言います。WHOは、一般的に言うと5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛まつ(約3,000個)が飛ぶと報告しており、新型コロナウイルスと飛沫感染の可能性については、早い段階から指摘されてきていました。

(2)-2:空気感染

感染者が飛ばした飛沫核(エアロゾル)を吸い込むことで感染することを言います。飛沫感染の場合は相手の飛沫を吸い込まなければ感染しないため、距離をあけて会話をする、咳やくしゃみをする際にはマスクをしたりハンカチを口に当てたりするいわゆる咳エチケットをしていれば飛沫は飛ばないので感染を回避できるという考え方でした。飛沫核というのはくしゃみや咳、つばといった水分が乾燥し、病原菌だけが空中に浮遊している状態と考えるとわかりやすいです。ですので、感染者と離れた場所にいたとしても長時間浮遊している飛沫核を吸い込むことで感染してしまうということになるのです。

飛沫核は非常に軽いため、屋外であれば風などによって巻き上げられ、吸い込むことはほぼないと言えます。ですが、密閉された屋内や空調が悪く空気が澱んでいる、換気の悪い屋内などでは微細な飛沫(エアロゾル)に含まれたウイルスが数10メートル浮遊し、感染を引き起こす可能性があるとされています。また、アメリカの感染症学会の報告書では「換気の悪い室内では、地上1.5メートルの高さで感染者から放出されたウイルスを含んだ微細飛沫が、空気の循環で数十メートル先まで移動する可能性がある」と指摘されています。特に飛沫核となってしまうと長時間の浮遊が可能となるため、感染のリスクも高まるといえます。

さらに、飛沫核は3時間程度は感染性を有するとの報告もあるため、密室では感染のリスクが高くなるといえるのです。現状、ソーシャルディスタンスとして相手とは2メートルほどの距離を取ることとしていますが、空気感染も含まれる場合、ソーシャルディスタンスとして推奨されている距離感では感染対策としては不十分であるといえるのです。

新型コロナ感染症については、基本的な感染経路は飛沫核感染とされていますが、換気が悪い密閉空間だと、長期間にわたって細かい飛沫核が漂う場合があり感染源となるとされており、「エアロゾル感染」ともされています。

空気感染を防ぐためにはどうする?

空気感染を防ぐためには、これまで通りのマスクの着用や消毒はもちろんですが、何よりも密閉した空間を作らないことが肝心です。三密(密閉・密集・密接)を避けることに加えて、窓を開けて常に換気をする、室内の空気循環を良くする、といった空気の流れが重要であるとされています。混み合った公共交通機関などの長時間の利用を回避するなども、混雑の回避が空気感染を予防するために効果的であると考えられています。
日本の感染対策、特に国民がみんなマスクを積極的につけていることはWHOからも高く評価されています。ですので、継続した感染対策の実施が、空気感染だけでなく新型コロナウイルの感染拡大を防ぐために必要となるといえるでしょう。

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(2)-3:接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染することを言います。
電車の吊革、スーパーでの買い物、共用のパソコンや机、電話機、リモコン、ドアノブなどを含めて、他人が触った物には触らない、やむを得ず触った場合は石鹸を使って手を洗う、あるいはアルコールで消毒する必要があります。WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。


(2)-4:市中感染

市中感染とは、病院内で体内に摂取された微生物によって引き起こされる感染症である「院内感染」と対をなす言葉で、病院外で摂取された微生物によって発症した感染症を指す言葉です。
社会生活をしている健康人に起こる感染症で、多くは体外から侵入した病原体により発症する「外因性感染症」です。



(2)-5:感染した?と思ったら~相談・受診の目安

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  • 最終更新:2022-01-12 02:51:12

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